1970年兵庫県生まれ。演出家・演劇批評家・パフォーマー。「社会変革の手段としての演劇活動」をモットーとして、ブレヒトの方法論に依拠した演出およびワークショップを展開。演劇ユニット「商品劇場」主宰、ミュージカルユニット「チューインガム過激弾」監督を経て、いよいよ今年から劇団「普通劇場」を始動。来る4月24日・25日に麻布DIE PRATZEにて、旗揚げ公演・ブレヒト『闇の光明』を上演する。
(財)静岡県舞台芸術センター芸術局企画運営委員。演劇千年計画実行委員。桐朋学園芸術短期大学、静岡文化芸術大学、河合塾COSMO東京校で非常勤講師を務める。


この一篇の興味深い点は、前半で主人公ゴーシュが、猫とカッコウを虐待する点にある。彼のもとにやってきた動物たちを虐待した後に、ゴーシュは自分の音楽がむしろその動物たちに必要とされていたことに気づき、認識を改め、ようやく自分の音楽を完成させる。聴衆の喝采を受けた後、ひとりゴーシュがカッコウに対する贖罪意識を抱いたところでこの一篇は幕となるのだが、猫のことは忘却されたままだ。そこで私としては、最後までゴーシュの意識に上らない猫の視点から、この一篇に対する〈読み替え〉を実験しようと考えている。


ベルトルト・ブレヒト作 「例外と原則」」